鉢の木
「ひと晩に咲かせてみむと、
梅の鉢を火に焙りしが、
咲かざりしかな。」
石川啄木
● 石川の啄ちゃんの歌です。一寸、そのなんです。スゴイです。ビョーキです。
さて、謡曲に「鉢の木」があります。
大雪の上野国佐野庄で宿を借りた旅僧(実は北条時頼)をもてなすため、秘蔵の鉢の木を薪替りに燃やし、後に失地復権をゆるされた、実直な佐野源左衛門の逸話です。
先日、坂東三十三か所巡礼で群馬県佐野を通りました。ここがそのドラマの舞台であります。
今は高崎駅近くの新幹線の高架下の町で何とも風情がありませんが、今も「常世神社」があります。高架を挟んで何故か「定家神社」もあります。
「鉢の木の、焙りて燃やせ、さのみやは、
一花咲かさむ、いつのときより。」
佐野源左衛門常世
「我が家にも、鉢の木あるぞ、よらせませ、
佐野の世渡り、時よりうらやむ。」
猪口山人

○ 昨日は「佐野ラーメン」を食べに、冬眠さめやらぬ完全“寝正月”の我妻“熊”と栃木県佐野市に出かけた。入ったお店の屋号は「とかの」。ずいぶんと繁盛していた。おせちに厭きた客で行列であった。このお店、80食出すと店じまいという、頑固一徹商売であった。さすが佐野源左衛門がふるさとだと恐れ入った。
(旧暦 12月10日 庚戌)


Comments